「綴」-つづる展-
Weaving the path of WONDER FULL LIFE
2023年6月30日(金)ー2023年8月27日(日)

私たちは、さまざまに異なる考えを持ちながら生きています。その中で人の心を知り、素直に受け止め、傾聴することで、改めて自分の可能性を知ることができます。人生という限られた時間の中で、奇跡のような出会いに感謝し、互いを讃え、敬う。そんな体験を通じ、各々がまた感覚を磨き、鍛えることで人生はより面白くなる。それも「豊かさ」の 1 つなのではないのでしょうか。

「豊かさ」という言葉からは、満ち足りた不足のない様をイメージします。一方で、今回私たちが着目するのは、近代が享受してきた物質的な価値観ではなく、精神性の中で育まれ、誰もが平等に持つ「豊かさ」です。 つなぐ、つなぎあわせる、とじる、文字を記し、言葉を連ねる。個人に重きが置かれる表現である「綴」(つづる)を、人と人とが作用し合うことによって共に豊かになる、という精神的な普遍を示すテーマとして、本展の表題に名付けました。

WONDER FULL LIFE(ワンダーフルライフ)は、金工、染織、陶芸、服飾、写真、音楽、言葉など、異なる分野で独自に活動するつくり手や表現者たちが出会い、これまでに見えなかったビジョンに気づきながら、繰り返し対話を重ね、感覚や衝動を形にしていく大脇千加子氏の創作プロジェクトです。

古くから伝承された泥染、鍛え形作られた真鍮、豊かな土が呼吸する陶器や土器。役目を終えた花々たちに新たな価値を咲かせる ボタニカルダイ。それらを耳から伝え、重ねる音楽。丁寧に時を重ねてきた人々の想いが宿るインドのカンタをはじめとする布など。

本展では、これらをもとに大脇氏が大切に受け継いだ素材のかけらとアーカイブ作品を紹介。さらに大脇氏がアーティストと対峙 したときに生まれた「感覚」を「手」に宿らせ、編みつないだ巨大なオブジェなど、縁を綴り合わせたものたちが並びます。

無印良品が目指す「感じ良いくらし」を実現する一つのきっかけとして、本展の綴り視える新しい創造の形が、人と出会う喜びや集う愉しさ、関わることの大切さを再認識する機会になればと思います。

ATELIER MUJI GINZA


MESSAGE

夜空に輝く無数の星。何万光年も離れた遠いどこかで放たれた光の粒を眺めながら、私たちは動物やモノのかたちになぞらえては星座とし、ときに神々たちの壮大な物語を語り継ぎ、未来に思いを馳せながら運命を読み解く指標にしてきた。個別の存在に意識を巡らせ、一つひとつを紐付け、想像と創造を繰り返すことは、人にとってごく自然な行為であり、豊かに生きていくために必要不可欠なことのようにも思われる。

 

WONDER FULL LIFE は、異なる分野で独自に活動するつくり手や表現者たちが出会い、繰り返し対話を重ねながら、これまでに見えなかったビジョンに気づき、未知なる創作領域を拡張してきた。

 

そのプロセスで生じる小さな気づきや疑問。手と手を重ね、意識を交えながら、さらに歩みを進めていくと、また新たに向かうべき道が現れる。分岐、交差、合流、並走を繰り返しながら生まれる、多様な視点と有機的な振動は、世にあるすべてのもの──つくり手だけでなく、伝える人、受け取る人すべて──に呼応し、共鳴していく。

 

私たちは皆、まだ道の途中に立っている。点と点を結び、補い合いながら、ここで綴られる出来事が、また新たな事の巡りへとつながる未来を思い描いている。

 

WONDER FULL LIFE

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時間:
11:00 ― 21:00
*営業時間・休館は、店舗に準じます。
*会期や時間などの予定変更、またはイベント等によって展示品の一部がご覧頂けない日時が発生する場合がございます。
開催場所:
無印良品 銀座 6F ATELIER MUJI GINZA Gallery1・2
入場無料

主催:株式会社良品計画 グラフィックデザイン:飯田将平+下岡由季+佐々木晴 / ido 空間構成:板坂留五 / RUI Architects・飯田将平 / ido 会場音楽:平井真美子(ピアニスト / 作曲家) 施工:株式会社 脇プロセス・HIGURE 17-15 cas 編集:猪飼尚司 制作協力:川村美帆 / daily press