Life in Art
フィリップ・ワイズベッカー「HANDMADE ハンドメイド」展 2022年4月22日(金) ー 6月26日(日)

ホモ・ファーベル/生活美学の視点

株式会社良品計画は日常芸術をテーマにアート(=文化)を広げるアートプロジェクトLife in Artにおいて、パリを拠点に活動するアーティスト、フィリップ・ワイズベッカーの展覧会を開催いたします。

私たちは、衣食住において日常生活に必要なくらしの基本をお店から提供するだけではなく、アート作品の販売や自社のプロモーションなどアーティストやクリエイターの方々にご協力いただきながら「感じ良いくらし」の探究を続けています。その中でもフィリップ・ワイズベッカーとはMUJI Forum des Halles(欧州旗艦店)やイベントなどこれまで様々な企画でコラボレーションしてきました。

フィリップ・ワイズベッカーは1942年生まれ、日常の身近なモチーフ、平面的でありながらも不思議な立体感のある独特なパース、淡くあたたかみのある線の表情など、自身の目線から生み出す素朴に描かれた絵が多くの人を魅了しています。また、本人の自宅やアトリエにある家具のほとんどは自身で設計、制作、塗装をしています。

本展は身近な暮らしの中にあるものをモチーフに描いたドローイング作品や本人が制作した生活の道具、アトリエで収録した映像で構成しています。自身の内面にある発想を自由に表現し生活環境を構築していく、そんな彼の生活美学の視点を感じ、日々の暮らしをゆたかに愉しむきっかけを見つけてください。

ATELIER MUJI GINZA


およそ100年前に海を渡ってニューイングランドにやってきた移民たちが使っていたであろう椅子や家具。スタイルや職人技にはこだわらず、最小限の材料で、素早く作れて、頑丈。そんなところが好きだった。

自分でも似たようなものが作れる気がした。初歩的な道具だけで夢中になって作っては、アトリエの室内を少しずつ自作の家具で置き替えていった。ベーシックで気取らない家具は、すぐに気に入った。友人や家族からは、座り心地が悪いと批判されても、それでも自分らしく思えて、いまでも飽きずに使っている。なにしろ見ていて美しいのだ。わたしにとっては目に映るものが一番たいせつで、その他は我慢するしかない。いまでも、必要に合わせて作り続けている。作り方はきわめて簡単だ。木材、ネジ、接着剤、それからクランプと穴あけドリル、これで準備完了。やっかいなのは塗装の工程。まず穴を埋め、ヤスリをかけて、1度目を塗る。乾燥したら再びヤスリをかけて、2度目を塗らなければならない。塗装のペンキは、いつもグレーを使っている。グレーはもともと好きな色で、流行がなく、重みがあり、落ち着かせてくれる。黒でも白でもないところが、迷いの絶えない自分には、よく似合っている。幸いなことに、塗りの欠点も目立ちにくい。

いま、わたしの一番の願いは、なにも置かずなにも入れない裸の状態で、デッサン作品と同じように、自作の家具を並べて展示することだ。

フィリップ・ワイズベッカー

(フィリップ・ワイズベッカー著『ホモ・ファーベル』発行:図書印刷 BON BOOK/発売:無印良品 MUJI BOOKSより一部抜粋)

 


書誌名『ホモ・ファーベル』 /  著者名|フィリップ・ワイズベッカー
価格|3,300円(消費税込) /  ISBN|978-4-910462-03-5  /  発行元|図書印刷株式会社 BON BOOK

*2022年4月22日(金)より無印良品 銀座で先行販売。5月1日(日)より全国のMUJI BOOKSで販売開始。

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時間:
11:00 ― 21:00
* 休館は、店舗に準じます。
* 会期や時間などの予定変更、またはイベント等によって展示品の一部がご覧頂けない日時が発生する場合がございます。
開催場所:
無印良品 銀座 6F ATELIER MUJI GINZA Gallery1・2
入場無料
主催:良品計画/企画協力:貴田奈津子(Bureau Kida)、藤城成貴/施工:HIGURE 17-15 cas/写真:宮本敏明/グラフィックデザイン:東川裕子/後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、ヴィラ九条山/協力:櫛田理(株式会社EDITHON)、図書印刷株式会社