『Archives: Bauhaus』展 2019年6月28日(金)― 9月23日(月)

今年は、ワイマールに先進的な総合芸術学校バウハウスが1919年に創立されてから100年目にあたります。

第一次大戦の敗戦を期に、ドイツでは芸術と産業の融合を目指す気運が醸成され、やがて国ではなく個である芸術家や建築家などが連携し主導してバウハウスに結実しました。それは産業革命後に欧州で加速する大衆文化の課題を解決し、新しい時代への理想の追求でもありました。世界政治が混迷を極める当時、新しい社会の拡張性を目指したバウハウスは1933年に閉校します。その活動は2つの世界大戦に挟まれた14年間という短い期間ではありましたが、ドイツのみならず世界各地に今なお強い影響を与えています。

ATELIER MUJI GINZA Gallery2 では、デザインにまつわる重要な記録を保存・活用し、未来へ伝達する試みとしてのシリーズ:Archivesにてバウハウスを取り上げます。

モダンデザインの潮流の中で、多様な領域を横断する学校教育というユニークな形式で革新を目指したバウハウス。この1世紀に私たちに何を与え、未来に何をもたらすのでしょうか。この問いは、今を生きる私たちにバトンが引き継がれています。

ATELIER MUJI GINZA

 

展覧会に寄せて

2017年にFound MUJIのプロジェクトでドイツを巡りました。様々な都市を訪問し、工場に行きプロダクトの製造過程を見学したり、工芸家の工房を訪問しその環境と技術を見て回りました。その中で見えてきたのは実直で丁寧な仕事への姿勢で、我ら日本人にも共感する部分が多いという点でした。

その旅の中でもバウハウス訪問は特別なものでした。バウハウスはベルリンから1時間ほど車で移動したデッサウという町にあります。バウハウスから近いところにはユンカースという航空機製造会社があったことでも知られていて、新しい技術や思想が結実して新しい動きが芽生える場所としての空気感があったのでしょう。大変な激動の時代に生まれたバウハウスは世界的にも例のない新しい総合芸術学校でしたが、そこでは新しい時代に目を向け生活をよりよく変えていく為の様々な実験的な活動が行われました。

バウハウスと無印良品は学校と会社という違いはありますが、どちらも時代に求められる製品を作り出し新しい生活スタイルを生みだそうとする点では共感できる部分が数々あると思います。

アーカイブすることは、未来への伝達行為です。本展ではバウハウスの生徒の中でも優れた才能を発揮したマリアンネ・ブラントの実験的な写真作品や照明器具、ヴィルヘルム・ヴァーゲンフェルトの作品などと共に無印良品から今回のテーマに沿って選んだ製品を一緒に並べます。
ここで皆さんとこのアーカイブを共有し共に考え得たものから実行することの大切さを再認識できればと考えます。

ランドスケーププロダクツ ファウンダー / プロデューサー
中原 慎一郎

イベント情報はこちら
時間:
10:00 ― 21:00
開催場所:
無印良品 銀座 6F ATELIER MUJI GINZA Gallery2
入場無料
主催:
無印良品
企画協力:
有限会社ランドスケーププロダクツ
展示協力:
泉 哲雄・加藤 孝司・成田 博昭・南 貴之・VELVET THE SHOWROOM
グラフィックデザイン:
下田理恵
施工:
株式会社東京スタデオ
企画・運営:
株式会社良品計画 生活雑貨部 企画デザイン担当、無印良品 銀座 ATELIER MUJI GINZA