白 の中の白 展
―白磁と詞(ことば) という実験。

例えば、テーブルの上にある一客の白いカップアンドソーサー。
私たちが今、何気なく目にしているモダンデザインの白い磁器には、実は長いものがたりがあります。
東洋が中国を筆頭に、青磁、白磁の悠久の歴史を誇る一方で、ヨーロッパでは白い陶磁器を得るための、 長い研究と多大な努力が重ねられました。そして18世紀初頭に白磁の生産に成功すると、それを埋め尽くす華美な装飾が施されていきます。 「白」が、装飾を鮮やかに浮かび上がらせる素地でしかなかった時代は長く続きました。ようやく、かたちを際立たせた、無地の白い器が誕生するまでには20世紀の到来を待つことになります。 白くあることと無地であること、二つの要素の出会いは、獲得された機会だったといえるでしょう。
その希な出会いがかたちとなった白磁の数々、そして白をめぐって見出されたイメージや詩の世界まで。 ATELIER MUJI GINZA Gallery1 では、モダンデザインが発見した「白」を、現代の私たちの眼で再発見する展示を開催します。
白いキャンバスに白い方形を描いた作品『White on White』(1918)で、絵画の世界に衝撃を与えたロシア、シュプレマティズムのアーティスト、カジミール・マレーヴィチがデザインした白のティーセットにはじまり、バウハウスの影響のもと、シンプルなフォルムを極めたトゥルーデ・ペートリの『ウルビーノ』シリーズ。そして、日本のプロダクトデザインの巨匠、柳宗理、森正洋らによる普段使いのモダンな白磁まで。会場には、モダンデザインの貴重なプロダクトを所蔵することで知られるインテリアデザイナー、永井敬二氏のコレクションのなかから、白い器を中心に50点以上が一堂に会します。
さらに独自の試みとして、プロダクト作品と共に、Gallery1 のセレクトで白への思索を巡らせた 詞ことば を綴る書籍10冊をご紹介。本展タイトルとなった、20世紀の前衛詩人、北園克衛の詩の一節を含む古書も登場します。
白い器と白を描いた 詞ことば を並べる小さな実験でもある本展。 この実験室で、白を視て読んで感じてみませんか。
ATELIER MUJI GINZA





時間
10:00 - 21:00
- 安全確保のため入場時間と入場人数を制限させていただいております。
- 最新の情報は本ウェブサイト、お知らせ欄をご覧ください。
- 営業時間・休館は、店舗に準じます。
クレジット
- 主催
- 無印良品
- 企画協力
- 永井敬二
- 空間デザイン
- 熊野亘
- グラフィックデザイン
- 東川裕子
- 施工
- HIGURE 17-15 cas
- 協力
- 山口信博、羽原肅郎、知識たかし
- 企画・運営
- 株式会社良品計画 生活雑貨部 企画デザイン担当・無印良品 銀座 ATELIER MUJI GINZA
販売情報

【POP UP WINDOW】
本展に関連して、展示品と同様の白磁の一部を、期間限定で販売いたしております。
*購入ご希望の方はスタッフまでお声がけください。
*オンラインでの販売は致しかねます。
【Lounge】関連書籍
本展にあわせて、展覧会の関連書籍を揃えました。
北園克衛の作品が収録された『カバンのなかの月夜』 金澤一志(監修)堀江敏幸(序文)をはじめ、『白の消息 骨壺から北園克衛まで』 山口信博(著)、『色彩論』 ヨーハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(著)、『ふすま 文化のランドスケープ』 向井一太郎、向井周太郎(著)など会場内で展示中の書籍の一部も、ここではお手にとって読んでいただけます。ぜひご自由にご覧くださいませ。
*販売品ではございません。
*貴重な資料ですので、丁寧なお取り扱いをお願いいたします。
*表紙をのぞく書籍の写真撮影はご遠慮ください。
ATELIER MUJI GINZA
ATELIER MUJIは、グラフィックデザイナーであり無印良品のアートディレクターであった田中一光氏により命名され、「ここは暮らしの原点に立ち返り、未来へ進むヒントを見つける工房です。」という言葉のもと運営してきました。
未来を見据えたこの活動は、良品計画が考える文化の交差点として、アートやデザインなど様々なテーマから企画やイベントを開催しています。
