〔後編〕 これからのウィンザーチェアへ

師匠、大橋晃朗のこと。そして再び実測のはなし。


ウィンザーデパートメントは「リ・デザイン」に意識的に取り組んでいるんですけれど、日本で「リ・デザイン」を意識的に教えた人っているんでしょうか?
藤森:どうでしょう…

その意識が日本では薄いような気がするんです。
藤森:僕らの世代よりも前の世代の教育の方がもっとあったのかな。僕の師匠の(*14)大橋晃朗っていう人が…

大橋さんが師匠だったんですか?
藤森:そう最後の弟子なんです。大橋晃朗は初期にシェーカー家具の研究をやっていたんですよ。まだ日本にそれほどシェーカーの情報がない時代に、シェーカーの椅子を独自に複製したそうです。そういう影響もありましたね。後に先生がデザインした家具は全然違いますが。

作風はたしかポストモダンだったというか…
藤森:ポストモダンの時代だったっていうのもあるし、僕が学生の時は、(*15) 倉俣史朗さんも然り、この世代の人たちは既存のものとはまったく違うものを作るんだ、というところでデザイナーとして、作家としてやっていく意識がすごくあったと思うんです。僕はそんな時代に大学で実測の授業を受け、そのやり方を学びました。もちろん、歴史的な家具の「リ・デザイン」の話もありました。大橋自身はそれを経て、すごく過激な表現をしていましたけど、教育はまず実測からでした。

そうですか、面白い話ですね。大橋さんの作品から想像したのとは逆の授業です。やはり基礎をきちんと踏まえていた人だからこそ独自の表現へと進めたんでしょうね。
藤森:そうですね。だから僕も学校で教え始めた頃は、実測の授業をやっていました。

私はデザイン教育を受けたことがないので分からないんですけど、実測というのは、パーツごとに測っていくということですか?
藤森:僕が最初にやった実測は、大橋先生の研究室に名作椅子がいっぱい置いてあって、そのなかから学生が自分で一脚選んで測るというものでした。で、僕はシンプルだと思ってウェグナーの「ブルチェア」 を選んだんですね。ところが手で削っている部分があって水平垂直もない。そういうことを知らないから、実測するのに一番難しい椅子をシンプルだと思って選んでしまった。先生はニコニコしてました(笑)。
で、椅子を大きな模造紙の上にどんって置いて、例えば、椅子の背もたれのカーブに1センチごとに目盛りを付け、その目盛りから「下げ振り」を落として模造紙の上にマーキングしていくんです。下げ振りっていうのは、測量で使う糸の先に重りがついた道具ですね。で、マーキングをつないでいくと背もたれのラインが現れます。
立面的な高さは床から測り、垂直に対しての傾きは壁を利用したり垂直面を作ったりして、そこからの距離を出します。そうやって、ひとつひとつ測って三面図(原寸図)を描き上げるんです。 そうすると、何気なく見ていた椅子が、こんなによくできているんだ、ああなるほど、こんなところがこんなことになってる、ということが頭で分かるっていうよりも体感できる。それでびっくりしちゃって、実測の体験が、家具って面白いと思うきっかけになった。椅子は彫刻的でもあり、使える道具でもある。

すごい、今でもそういうことを?
藤森:今は学校教育でもそこまで厳密に測るところは少ないと思います。時間がかかるので僕たちは3人ぐらいで手分けしながらグループでやっていました。

大変な作業なんですね。
藤森:なんとなくじゃなくて、厳密にやろうとすると大変です。まあ絵の勉強をする人が有名な絵を模写するのと似て、そこで得られる事が結構ありました。それだけで、ものの見方が変わるというか。

どういう風に変わりました?ウィンザーの場合は。
藤森:実測後は、これまでは何気なく見ていているだけで何も見ていなかったんだ、と理解しました。その椅子がどういう成り立ちで、どういう思想からできているのかまで、椅子自体に現れているはずなのに、何も見ていなかった。なので、ものをよく見るようになったというか…。そんなこともあったのでもう一回ウィンザーを実測して体感したいと思ったのかもしれないですね。

今はそういう授業を受けようと思ってもなかなか受けられないでしょうから貴重な体験です。


*14 大橋晃朗(おおはし てるあき)1938-1972
*15 倉俣史朗(くらまた しろう)1934-1991

3D CADの感触と手仕事の感触はつながる!?


藤森:今はこれだけ3D CADが発達すると、いきなり、と言っていいか分からないけど3Dから考えられる。その、3Dのヴァーチャルな中でかたちを作っていく作業が、逆に、椅子のプリミティブな作り方とちょっと繋がってくる感じがあります。合理的な三面図を描くときは、作りやすいとか描きやすいとか、そういう意識が働いている。とくに側面図を描いたりするときに。実は3Dの方が、図面で考える縛りから抜けられる面がある。
それはいい意味でも悪い意味でもあるんですけど、その感じが、図面など描いていなかった昔の、材をこう組み合わせたらどうなるのかなっていう手の調整感覚とどこかで繋がってくるっていうか、そういう意味で3Dの不思議な面白さっていうのはありますね。

3D CADがプリミティブな感覚につながるって、すごい。それはデザイナーでなければ分からない感覚ですね。
藤森:面白いですよね。僕らはモダンデザインの教育と考え方をシャワーのように浴びている世代だからそう思うのかもしれず、今の若い人たちはさらに先に行っちゃっているんでしょうけど。ただ3Dで作業すると、まるで完成しちゃっているように見えて、成り立ってないことが理解できないという齟齬がある場合も多くて、良し悪し両面ありますね。
図面っていうのは結局、椅子でもなんでもプロジェクトを第三者に伝えるための手段としてある。近年そうしたプロセスが急速に変わってきていて、これからどんな伝え方をしていったらいいのかという話は、林さんとよくしています。

それはどの分野も直面している課題ですね。
藤森:イノダ+スバイエは完全にデータでメーカーに渡しているんだと思います。メーカーはもらったデータをもとに、CNC(コンピュータ数値制御)マシンの入力用データを作る。
僕らの場合、渡したデータからそのまま作るとなると少し不安になります(笑)。「いやもうちょっとあなたたちのフィルターを通してからやって下さい」っていう感じになる。要はコミュニケーションを取りたいんですよね。写真もそうですよね。今、写真家の仕事は昔よりもデータ処理の仕事が増えてきちゃってる。昔はフィルムで撮って、ラボに渡してラボの人と話しながら、ここちょっと明るくしてっていうコラボレーションの作業があったけど。今は作業がダイレクトになっているから責任の所在が、逆に全部こっちに降りかかってくるっていう。相手からすれば、いやデータ通り作ってますから、みたいになる。

これからのデザインは、どういうプロセスになっていくんでしょうね。
藤森:紙なんか一切使わない人もいるでしょうね。もう完全にコンピューターの中だけで成立させちゃってるっていう。

それでもモデルだけは作るんですかね?
藤森:モデルも3Dプリンターでしょうね。
僕らはまだアナログで、模型を作りながら考えているところもあるので、手作業は辞めてないですけど。

▲手作業で製作された模型


3Dプリンターって、アクロバティックな形も簡単に作れるけど、それが構造的に成り立っているのかっていうことは解析して調べるんですか?
藤森:解析は3D CAD上で行うので、プリンターは出すだけですね。
一方、手作業で模型を作ると、あっ、これ前脚の取り付け角度がちょっと微妙だなって思って、その場で広げたりできる。そうすると、じゃあ後脚の傾きも調整しようかとか、そこでスタディが進むわけです。それはそれで有効なんですけどね。プロトタイプを作る時も、製作者に最終的には図面を渡すんですけど、まず先に、ざっくりと寸法と素材を記したラフなスケッチを見てもらいます。その方がうまく伝わったりするんです。

▲ラフなスケッチ


なるほど。イタリアデザイン界には、(*16) ジョヴァンニ・サッキ という名モデラーがいて、相当な数の木製モデルを作っていました。巨匠含め当時のデザイナーたちは彼と対話して、彼が解釈して作った木製モデルがイタリアデザインの発展を影で支えたとまで語られています。そうしたコラボレーションがプロジェクトにどのように影響するのか、検証する価値はありますね。



*16 Giovanni Sacchi 1913-2005


その3 座る人の身体に反応する椅子


さて、再び藤森ウィンザーに戻りますね。インタビュー序盤にも登場した「Tremolo」です。
藤森:はい、「Tremolo」は、単純な線とボリュームという、先ほどお話した、子供が描いた落書きのようなイメージから始まりました。ウィンザーチェアは十分座り心地のいい椅子なんですが、例えばパイプの椅子のような「たわみ」がないんですね。そこで、身体に反応するウィンザーチェアができないものかと。

座っていいですか?
藤森:はい、結構たわみますよ。
今までデザインしてきたものは、スピンドルを座面から上に向かって閉じるように配置していたんです。でも、そうするとたわみにくい。そこで、この椅子では細いスチールのスピンドルを上に向かって開き、動きが出るようにしました。背座の柔らかな天然木のムク材と、繊細で硬質なスチールとのコントラストが、この椅子に独特な表情をもたらしたと思います。

▲「Tremolo」

その4 「omi」


藤森:これが一番新しい「omi」です。 (*17) カリモクから発表するんですけれど、実は、通常の商品開発とは異なり、偶然のストーリーがきっかけで生まれたプロジェクトでした。
建築家の (*8) 伊東豊雄さん率いる (*18) 伊東建築塾(以降、伊東塾)が、その拠点の一つとして活用している場所に、愛媛県、大三島にある「憩の家」という小学校の旧い校舎を再利用した宿泊施設があります。その「憩の家」をリニューアルするプロジェクトに僕も参加したんです。

▲「憩の家」 / Photo:Katsuhiro Aoki


あ、行ったことあります。
藤森:そうですか!
そのリニューアルに際して、食堂で元々使われていた家具を確認したところ、古いカリモクの椅子だったんですよ。

なるほど!
藤森:面白いなと思って、これをリペアして使えばいいんじゃないかと、プロジェクトの経緯も含めカリモクに相談しました。そうしたら先方が伊東塾の活動に共感してくれて、「リペアはもちろん出来ますけれど、新たに藤森さんがデザインしてくれたら60脚寄付します!」って。もうびっくりして、そこに合う椅子は何かを急遽考え始めました。
まず思い浮かんだのが、以前スイスのバーゼルに行った時に見た椅子でした。

どんな椅子ですか?
藤森:スイスのカフェやレストランで良く使われているアノニマスなものなんです。
バーゼルというと、 (*19) ジャスパー・モリソンがデザインした「バーゼルチェア」というのがあるんですけど、これはおそらくスイスの伝統時なカフェの椅子のリ・デザインです。
僕が見たのはこの椅子、バーゼルのホテル「Krafft Basel」のレストランのもの。

ここは、クリエイターに人気のホテルですね。
藤森:はい、要するに、白いクロスをきちんと敷いたテーブルに黒い椅子を合わせるというのがスイスには多く、その印象がずっと頭に残っていて…、とくに朝ごはんの風景が。朝ごはん好きですね、僕(笑)。
伊東さんが、「憩い家」はすごく朝が美しいところだし、朝ごはんを白いクロスで食べるっていうイメージを持たれていると聞いて、この風景がすぐ思い浮かんだんですよ。

▲バーゼルのホテル


藤森:そしてさらに具体化していくときに、スクロールバックチェア というウィンザーチェアの形式がまた結びつき…。それでこのスケッチを描いて、かたちにしていきました。
リノベーションされた旧校舎に、白いクロスと清潔感のある黒い椅子がフィットするんじゃないかなと。それから、椅子がたくさん横に並んだ時に、いかに美しく見えるかを検討しました。

▲「Omi」スケッチ


以前にここに伺った時はリニューアル前で全然違いました。内装はどなたが?
藤森:内装は、伊東塾が担当して、食堂や客室の家具をうちで担当したかたちですね。この場所だけのための家具をカリモクが作ってくれたわけです。

場所のために生まれる家具ってすごくいいですね。
藤森:はい、まさに。この場所のために。
スクロールバックチェアは、通常は背もたれの笠木の下に、もう一本横木(セントラルステイ)が入っています。だけど、それが今回の椅子にはなんとなくしっくりこない。新しい背の形式はないか?と考えはじめ、最終的には、背骨を避け、その周りの背筋を支えるように両脇のスピンドルから笠木の中央に向かって斜めにステイを2本配置し、現在の形になりました。すると偶然、(大三島の)「大」の字に見えるなって(笑)。
また、僕にとってはウィンザーチェアに座クッションを取り付けたのもこの椅子が初めてでした。

座り心地いいですね。私は奥まで腰を据える座り方をあまりしないもので、座の奥行きが浅い方が姿勢を支えてくれていいなと思います。ヨーロッパの椅子、とくにソファはとにかく奥行きがあるので、手前のほんの一部でしか座ってない、みたいな。
藤森:ちょこんて感じなんですよね。日本人的なね。

そうなんです、浅いのもいいですよね。
藤森:そういえば、プロトタイプを作る時、製作者に「この背もたれのR寸法で大丈夫ですか?」など、座面の大きさや奥行きについても何度か確認されました。

どうしてでしょう?
藤森:要は、一般的な椅子のスケールとちょっと違うので、心配されていたわけです。僕らにとっては、既に獲得していたスケールだったので、「大丈夫ですので、作ってみてください!」と念押ししまして。実際、プロトタイプが出来上がってみたら皆さん納得してくれました。
まあこんな風に、一脚一脚にそれぞれのストーリーがあります。その都度、自分なりの実験を盛り込んで作っていますね。


*17 カリモク家具株式会社(karimoku)1947-
*18 伊東建築塾 NPOこれからの建築を考える
*19 Jasper Morrison 1959-


これからのウィンザーチェアへ


これから挑戦したいウィンザーチェアはありますか?
藤森:気になっているものの、まだ取り組めていない形式ですね。
アームのある、ゆったりとしたウィンザーチェアならどう作るか、とか。それで、ヴィンテージの椅子をいっぱい集めているんですよ。これは (*20) アーコールのスモーカーズチェア 。こうしたスケール感のものです。

▲アーコールのスモーカーズチェア


綺麗ですねえ。これはいつ頃、どこのものなんですか?
藤森:おそらく60年代のアーコール製です。アーコールは馴染みの家具屋さんがイギリスから買ってきて、経年による塗装の劣化やゆがみを、一度全部解体して磨いてリペアして、再度組み立て直しています。

リペアの魅力もあって、綺麗なだけでなく味わいがあります。
藤森:そうですそうです。要するに、古いものもきちんと手入れすると魅力的になるんですよ。いいものって必ずしも新しいものじゃない。長く使われた後に、引き継がれてまた使われていく家具もある。そして、ヴィンテージ家具屋さんとか、長生きさせることで仕事が成り立つ人たちもいる、需要があるってことですよね。

そうですね、デザインして作って売って終わり、でなく、そこに使い手とリペアする人が入るっていうのは、本来あるべき健康的なもの作りに感じますね。
藤森:ヴィンテージ家具屋さんでも、リペアの仕方やその程度は様々です。僕が良く購入しているお店は、「アーコールのチェアを一番丁寧にリペアする店になりたいと思っている」って仰ってました。

そうした家具店との関係が結べることも財産ですね。

民芸とウィンザーチェア、


藤森さんは民芸調のウィンザーチェアについてはどう思いますか?
藤森:日本でウィンザーチェアをよく作っていたのは、歴史的に (*21) 松本民芸家具とかクラフト的な領域の方が多いでしょうね。 ウィンザーチェアって元はカントリーな要素があるじゃないですか。農村的っていうか。僕らの世代だと『大草原の小さな家』とか、ドラマのシーンで使われていたり。

日本でウィンザーチェアを一般に広めたのは、 (*22) 柳宗悦、 (*23) 濱田庄司と (*24) バーナード・リーチが1920年代にイギリスから持ち込んできたのが始めだと言われています。民芸運動とウィンザーチェアがかなりがっしり繋がっているところは面白いなあと。
藤森:そうですね。 民芸調の方はスタイルがしっかりあって、「道」になっていくっていうか、ウィンザーチェア道みたいなものがある。この職人はこういう作り方、あの人はああいう作り方みたいな。
松本民芸家具、飛騨産業やカリモクなど多くの家具メーカーも作っているし、歴史な形式をきちんと継承しているものは、それはそれですごくいいなと思います。ただ、僕らはやはりデザイナーなので、ウィンザーという椅子の形式を「リ・デザイン」して、“今”の椅子にしたいっていう思いが強い。そうしないと意味がないっていう。
僕らはあくまでウィンザーチェアの成り立ちとか、この椅子がなぜこんなにも長く生き続けてきたのか? ということに興味があるので、その感性を現代のデザインとして置き換えたいっていうことなんですよね。だからWDで皆が作っている椅子でも、厳密に言えば、構造的にはウィンザーチェアじゃないものもあります。

「ウィンザー道」を求めているわけではないので、構成は逸脱してもいいわけですよね。


*21 松本民芸家具 昭和19年に長野県に設立された家具メーカー。
*22 柳宗悦(やなぎ むねよし)1889-1961
*23 濱田庄司(はまだ しょうじ)1894-1978
*24 Bernard Leach 1887-1979


伝えたかったこと。なぜ作るのか?


ウィンザーチェアのルーツから一種の“DNA”が継承されていく、という「リ・デザイン」のテーマのほかに展覧会でとくに伝えたいことはありますか?それを探ることでまた新しいものが生まれて、次に繋がっていくという…。
藤森:そうですね。歴史的なこと、「リ・デザイン」のことにも通じるんですけど、デザインというものが突然ポッと生まれるものじゃなくて、過去に起きていた事象とか、使われてきたものから何かが進化していたり、長く生き続けてきた理由がある。そこを探っていくことで、また新しいものが生まれて、次に繋がっていくっていう…。ちょっと大げさかもしれないけれど、デザインがどうやって生まれてきたか、そういうことが伝わったらいいなって思います。
デザインって新規性のみを求めるものではなくて、長く続いていくものを作るためには、継承と進化というプロセスがあるっていう。特に椅子のデザインはそうかもしれないですけど。
洋服もそうですけど、もう基本的には椅子って完成された形式で名作椅子も山ほどあるのに、毎年「ミラノサローネ」に行ったら、なんでこんなにたくさん新作が発表されるのかってよく考えるんです。もちろんそれは経済活動でもあります。でも、その根本には、自分たちが生きていく世界は自分たちで作るんだっていう衝動があるから、やっぱり続いていくと思うんです。

そうですね。それでないと、生活に必要なものが過剰な時代にものを作る意味はなくなってしまいます。
藤森:そうなんですよね。だからこそ、カスティリオーニさんじゃないけど、「物の地図帖」があるとしたら、そこに載るべき新種を作らないといけない。それは一見新種に見えなくても、デザイナー自身がここを工夫しているとか、あっ、これはありそうでなかったんじゃないかとか、見た目は大きく変わらないけど、作り方がまったく違うことで物の質が変容するとか。なにか一つでもあればいいと思っています。それが一つもなかったら、何もやらない方がいいかなって。

もの作りは、それくらいの覚悟で挑まなければやる必要がない。
藤森:はい、そのくらいの覚悟で。 【了】