野又穫

ARTWORKS

Re-Visions L1
500×661×22mm

Re-Visions L2
500×661×22mm

Re-Visions
想像上の建造物を描き始めた80年代から、創作は常に革新的であるべき、と考えていました。それが美術家としての正しい姿勢だと思っていたのですが、昨年来、地球環境や身近な社会に起きた大きな変化を通して、これまでの考え方や生活に戻ることへの違和感を覚えはじめ、成長を求めてひたすら前に進むことよりも、既にあるものを見つめ直すことが、むしろ前向きな姿勢なのではないかと考えるようになりました。そんな中で今回の版画制作のお話をいただき、即座に頭に浮かんだのが「Re-Visions」(見直し、再解釈)というテーマです。
版画にはタブローやドローイングとは異なるプロセスが必要であるため、自分のイメージする奥行や気配を紙の上に表現するのが難しいという側面がありますが、今回はリトグラフ工房「イデム・パリ」との協働ということで、大きな期待と緊張感を持って制作に取り組むことができました。 いつ、どこで、どのような目的のために建てられたのか、私自身も思いを巡らすこの二つの作品が、時間を遡り時空を旅する意識、そして未知への好奇心と期待を喚起するものになればと思います。

野又穫 のまた みのる
1955年東京生まれ。1979年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。
1986年に佐賀町エキジビット・スペースで初の個展を開催。絵画、立体、版画、ドローイングなどさまざまな表現方法により、想像上の建造物、建築風景を作品として制作・発表している。
主な展覧会に「カンヴァスに立つ建築-Architecture on Canvas-」(2004年東京オペラシティアートギャラリー)、「もうひとつの場所−野又穫のランドスケープ/ Alternative Sights」(2010年群馬県立近代美術館)、「空想の建築−ピラネージから野又穫へ」(2013年町田市立国際版画美術館)など。
2020年にはWhite Cube(London)で初のオンライン展Minoru Nomata ‘Introductions’ Online Viewing Roomを開催。
個展のほか、東京銀座資生堂ビル(2001)、パークハイアット東京(2006)などでコミッション・ワークの制作、朝日新聞の「ザ・コラム」にドローイング連載(2011-2015)など。1995年芸術選奨新人賞、2007年タカシマヤ美術賞受賞。
主な作品集として『視線の変遷/Points of View』(2004年東京書籍)、『もうひとつの場所/ALTERNATIVE SIGHTS』(2010年青幻舎)、『ELEMENTS -あちら、こちら、かけら』(2012年青幻舎)などがある。

Official Website
nomataminoru.com