文化を味わうものづくり『にほんのさけ』展 2024年7月5日(金) ー 9月1日(日)

無印良品のものづくりは、衣食住の分野にわたる中で生活者の声や視点、先人や伝統から伝わる知恵、大いなる自然の恵みから学ぶことによって生まれてきました。驚きと感心を新鮮な気持ちで携え、大きな視野を持って様々な発見をしながら、ものづくりを通して感じ良い暮らしと社会の実現を目指しています。

本展では、無印良品が共感するものづくりの一つの例として、島根県出雲で日本の酒を造る出雲杜氏・小島達也さんの醸造・哲学をご紹介致します。小島さんは「なぜ人は酒を造るのか?」「なぜ人は酒を飲むのか?」「酒とは何か?」というシンプルな疑問に立ち戻り、独自に歴史、文化を深く突き詰めながら「にほんのさけ」を造り続けています。

テクノロジーが進歩し続ける現代。新しい刺激を求めるのではなく、当たり前に満ちているすでにそこにあるものを掬い、原点を未来へ繋ぐ彼の活動を通して、私たちの考えるものづくりの思想に触れる一助になれば幸いです。

 

ATELIER MUJI


 

誰かとお酒を飲んで楽しい、心地よいと感じる。

人と人をつないでくれるお酒は魅力的です。私はお酒の造り手になって、人と人をつなぐためのお酒を造ろうと思いました。酒造りの技術や文化伝統を調べていくうちに、お酒はつながりをつくるだけではなく、すでにあるつながりを思い出させてくれているんだと感じるようになりました。

すでにあるつながり、私はそれを「営み」と呼んでいます。日本の営みの姿は、日本酒の原料であるお米・稲作とお祭りの関係を紐解くことで見えてきます。先人たちはお祭りでお酒を飲み、狩猟や稲作の苦労を分かち合い、仲間や自然と絆を深め、次の稲作への意欲や英気を養いました。仲間から村へ、村から国へ、つながりをひろげてきたのです。誰もが自然生命の一部であり、ずっと人に寄り添ってきたお酒には、過去から脈々と続く私たちの営みの記憶が息づいています。この営みは生きる力となり、未来へとつながっていきます。

醸造家としての私の思想と、先人たちがつないできた酒造りの伝統技法、いまある自然環境を利用してお酒を醸造しています。そうして現れるお酒は、心の情緒を揺らして、自然生命の営みという共通の情景を見せてくれます。それが私たちの「にほんのさけ」ではないでしょうか。ずっと昔から営まれてきた、すでにあるつながりを思い出すようなお酒を私は造りたいと思っています。

小島達也

 

 

時間:
11:00 ─ 21:00
*営業時間・休館は、店舗に準じます。
*会期や時間などの予定変更、またはイベント等によって展示品の一部がご覧頂けない日時が発生する場合がございます。

 

開催場所:
無印良品 銀座 6F ATELIER MUJI GINZA Gallery1・2
入場無料

 

関連イベント:
本展覧会では、展示をよりご体感いただくために併設したCoffee & Salonと連動してお酒を楽しむコンテンツをご用意しています。他、会期中は小島達也さんによるトークイベントや在廊を予定しています。
詳細やお申し込みについてはATELIER MUJI公式ウェブサイトやSNSで随時お知らせ致します。

※本展は小さなお子様やお酒を飲まない方でもお楽しみいただけます。
※20歳未満の飲酒は法律で禁じられています。

 

主催|株式会社良品計画 企画協力|小島達也(出雲杜氏・醸造家/板倉酒造)、コイル、竹内典子しつらい|辛島綾 /映像|大隅圭介グラフィックデザイン|SHIMA ART&DESIGN STUDIOイラストレーション|浅妻健司施工|東京スタデオ