『くらし中心ー「かたがみ」から始まる』 part1 家具のかたがみ 展 2012年10月26日(金)ー11月18日(日)
くらし中心ー「かたがみ」から始まる
「かたがみ」とは、「つくろうとするものの形を製図化して切った紙(広辞苑)」。それを使えば予想通りのものを再現できる、ものづくりの基本ツールです。普通は洋服の型紙を想像しますが、私たちは、暮らしの中にもいろいろな「かたがみ」があるのではないかと考えました。
工業化社会は、安価にものをつくることを目指してきました。そんな中、「かたがみ」は大量生産のための設計図となり、作り手の領域の中に閉ざされていきました。
いま、時代は大きく変化しようとしています。大量生産・大量消費から、使い手の一人一人が自分の創造性でものをつくる時代へ。多くの人が、自分の中にある「創造性」を発見し、「つくる喜び」を満たしたいと感じているのではないでしょうか。自分でつくれば、ものの価値を改めて見直すことになり、愛着もわいてくるでしょう。
「かたがみ」とは、だれもが自分でつくる喜びを取り戻すための道具。そこには先人たちの知恵も情報として織り込まれているでしょう。
衣食住、音楽など、さまざまな分野に「かたがみ」がありそうです。これを皮切りに、いくつかの展覧会を通して、暮らしの中の「かたがみ」を発見していきたいと考えています。
part1 家具のかたがみ展
「かたがみ」から始まるシリーズの第一回目の企画は、家具をテーマにしてみました。
家具づくりは、洋服と並んで、近代化の過程で大量生産を前提に進化してきました。実際、家具の制作には機械や道具が必要で、完成度の高いものを自分でつくるのはなかなか難しいものです。
今回は6組のデザイナーやチームに、使い手が「自分でつくる」可能性を広げられるような作品をつくってもらいました。だれもが取り組みやすい環境を設定するため、素材も「25ミリ以下の板をなるべく無駄なく使い切る」ことをルールにしました。展示の中には、完成品を提示するだけでなく、それを使い手がカスタマイズしやすいように原型を指し示すものも多くあります。また、つくりにくい曲線は、直線に変更することも視野に入れて提案しています。作品の中には、コンピューターデータから自動的に裁断するデジタル工作機械を使ったものもありますが、多くの人々が精度の高いものをつくれるための新しい潮流としてご紹介しています。
今回の展示が、一人でも多くの方の家具づくりのきっかけとなれば、こんなにうれしいことはありません。
ATELIER MUJI
時間:
10:00 – 21:00
開催場所:
無印良品 有楽町 2F ATELIER MUJI
入場無料
主催:無印良品/企画:くらしの良品研究所/運営:無印良品 有楽町 ATELIER MUJI/アートディレクター:新村則人