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「東京ボヘミアンガーデン」
トーク「東京ボヘミアンガーデン」
下町や住宅街を歩いていると、そこかしこで植木に出会います。
とても日常的な景色だから、気を付けないと見過ごしてしまいます。
東京はニューヨークやパリに比べて緑地が少ないと言われています。
たしかに大きな公園や森は多くないのかもしれません。
しかし、東京にはもっと身近なところに自然があるのではないでしょうか。
路上に咲く朝顔を見て夏の訪れを知るように、折々の季節を路上の花たちから教わります。
その場所で暮らす人が思い思いに置いては世話をしている植木たちを通りすがりの私たちは楽しみます。
こういった営みが日常であり景色になっていることを思うと、東京の緑は豊かなのかもしれないとも思えてきます。
2021年1月、リブロアルテから『植木』が再出版されました。
名前のとおり植木の写真集。
撮影は高木康行さん。彼は日本に戻ってきた時に、なにかに誘われるように植木を撮り続けたといいます。それがこの1冊に綴じられています。
日常の景色が切り取られ本に収められると、ふと見過ごしていたことに気づかされます。そして次にいくつかの疑問が生まれます。
なぜ東京には植木が多いのだろうか。
そしてそれはいつからのことなのか。
今回は著者であるフォトグラファーの高木康行さんと早稲田大学教授のブロッソー・シルヴィさんをお招きして、植木に関することをお話していただきます。
またなぜこの本が再出版されたのかをリブロアルテの一花さんに伺います。
開催日時: 2021年2月28日(日)14:00-15:20 会場: ATELIER MUJI GINZA Online(オンライン配信) 定員: なし(事前予約の必要はございません) 参加費: 無料 登壇者: 高木康行 Yasuyuki TAKAGI (photographer/director) 一花義広 Yoshihiro IKKA(株式会社リブロアルテ代表) ブロッソー・シルヴィ Sylvie BROSSEAU(早稲田大学教授) 聞き手: 清水洋平 Yohei SHIMIZU(良品計画MUJIBOOKS担当) 参加方法: 本イベントは終了いたしました。下記URLより見逃し配信を公開中です。 動画視聴URL: https://youtu.be/NJS9SSg-wXE *ATELIER MUJI GINZA公式 Youtubeページに移動します。
『ueki,植木 〜 Petit pots et jardins』
発売日:2021年1月25日 / 著:高木康行 / テキスト:Philippe Pons / ブックデザイン:Eric Pillault
高木康行による「東京のボヘミヤガーデン」を映した写真集。
2015年、フランスの出版社iki editionsより刊行された高木康行写真集『植木』が、2021年1月に日本でリブロアルテ版として刊行された。
ATELIER MUJI GINZAのHOTEL側の書棚でもフランス語版を蔵書。
※本イベントを記念して、銀座店4F MUJI BOOKSにも書籍をご用意致します。ぜひ、併せてお楽しみください。
ー東京のボヘミヤガーデンー
「自然」ほど「東京」に似つかわしくない言葉はないように見える。
世界で最大の都市の一つのイメージは「コンクリートジャングル」だ。
それでも一寸変わった意味だが「東京」に「自然」はたっぷりある。
東京の一市民当たりの公園面積は5sqmにすぎないのだが、NYのそれは、およそ25sqmだ。
しかし「自然」というものは、公園のような処だけにあるのではない。
東京の「自然」は一寸した隙間の中に顔を見せる。
「自然」の片鱗に狭い路地の片隅や、小さな個人の庭、玄関席の階段の植木鉢の中やプラント樹に散りばめられて見える。
これら無数にある植木鉢や花鉢は道筋や路傍を占拠ししばしば公的スペースを侵入している。
多くの道筋が灰色でなく緑に輝いているのは、混雑として、形に囚われないボヘミヤ風の自由の庭園のなっているからだ。
古い東京である「下町」の路地裏は植木鉢でいっぱいでモダンな東京として弛まぬ切目ないあゆみ、空間を斬新に捉える力を見せてくれる。