『コドモのチカラ』展 2012年6月15日(金)ー7月29日(日)

コドモのチカラ

時として大人たちを驚かせる子どもの創造力は、どこから生まれるのでしょう。

子どもの時期、脳では様々な刺激を受け、脳細胞間の結合が行われています。特に4才から7才の時期は、それまで育ってきた基本的な脳の働きを元にして、「自分で考え」「創造力を働かせ」「自己主張をしはじめる」段階にあると言われています。この時期の子どもの好奇心と創造力には、目を見張るものがあります。その後成長とともに知識が増え、理性が発達して大人になっていきますが、その過程と共に自由な創造力や表現力が縮小していくようにも思います。

今回、ATELIER MUJI「コドモのチカラ」展は、東北石巻の渡波小学校の子ども達の作品に注目しました。悲しい出来事の中から生まれた素晴らしい表現力は、力強い未来を見せてくれているようにも思います。何もなくなってしまった石巻で、ガレキの中から作品を作った子ども達の自由な発想と素晴らしい表現をご覧ください。子どもとは、大人になるまでの通過点ではなく、柔軟な感性を持ったひとつの人格のようにも思えます。子どもがなにを見て、なにを考えているのか、子ども達の作品を通して考えてみることにいたしましょう。それは知識と既成概念にとらわれがちな大人たちへ送る、子ども達からのメッセージなのかも知れません。

ATELIER MUJI


カケラのチカラ

2011年3月11日。大きな地震がありました。避難所となった宮城県石巻市、渡波(ワタノハ)小学校。ここにある作品達は、避難所で生活をしていた渡波小学校の子ども達が作った作品です。とても明るくて楽しい作品ばかりです。

作品を作ったのは震災から約1ヶ月後の事です。津波で多くの道具が流されました。道具がない分、子ども達は工夫して遊んでいました。1つの道具を大切に使い、1つの道具から沢山の遊びを考えていました。道具がない分、子ども達に生まれたのは想像する力でした。

小学校の校庭に流れ着いた、町のカケラ達。
子ども達が自由にくっつけ、楽しいオブジェを作りました。

この作品達は2012年4月、イタリアの博物館でも展示され、作品を作った子ども達もイタリアに行ってきました。作品がイタリア人にほめられ、意気揚々とした子ども達。この作品達には、悲しみさえも笑顔に変えてしまう、明るくて楽しい「コドモのチカラ」が詰まっています。

ワタノハスマイル

「コドモのチカラ」展 チラシ(PDF:886KB)

時間:
10:00 – 21:00
開催場所:
無印良品 有楽町 2F ATELIER MUJI
入場無料

 

主催:無印良品/企画・運営:無印良品 有楽町 ATELIER MUJI/企画協力:NPOワタノハスマイル、石巻市立渡波小学校/アートディレクション:新村則人